日本女子大学図書館友の会 平成23年度講座ご案内

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講 座

一 「説話の宇宙」 ―天狗説話をめぐって―

本学名誉教授 麻 原 美 子 氏

 「説話の宇宙」と題した説話世界の遊泳は『宇治拾遺物語』を読むことを基軸としながら、神話・伝説・民話、それに歴史世界への探訪ともなり9年目に入りました。本年は説話世界の妖怪の一つともいえる“天狗”を取りあげて考えてみることにしました。私が天狗に興味を持つきっかけとなったのは、去年の秋神奈川県立歴史博物館で開催された特別展「天狗推参」を見てからでした。厖大な歴史民俗資料を網羅した見事な展示に魅了され、文学の立場から考えてみようと思い立ったのです。中国を発生源とし、日本に入って日本人の共同幻想による独自の形象化で魔界外道の烏天狗、鼻高天狗となり、説話・軍記物語・お伽草子・絵巻上に成長を遂げ、信仰対象ともなって今日に至っています。「説話の宇宙」探訪の最適の対象と考えますがいかがでしょうか。

(火曜・年10回)10:20―11:40 百年館

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二 「源氏物語」

本学教授 高 野 晴 代 氏

 今年度は「玉鬘十帖」の三帖目「胡蝶」巻から読み進めます。そこには六条院に新たな魅力を与えるヒロイン玉鬘の姿が語られています。「螢」巻での兵部卿宮を驚かす演出、ここには光源氏の物語論も見られます。続く「常夏」巻の音楽論も興味深いものです。掌編「篝火」さらに「野分」の巻も面白く、それは光源氏の息子夕霧の眼で描かれる世界です。紫上をかすかに見たり、玉鬘と父親の不自然な会話を耳にしたりしています。
 今年度も光源氏と、彼をめぐる女性達のそれぞれの生き方を見据え、作品を読み解いてゆきましょう。また時には、残された多くの「源氏絵」を取り上げて、愛し続けられた『源氏物語』の享受の歴史も辿りたいと思います。

(金曜・年10回)10:30―12:00 百年館

(4/15休講) 5/20 6/17 7/15 9/30 10/21 11/18 12/9 1/20 2/17

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