日本女子大学図書館友の会 平成24年度講座ご案内

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講 座

一 「説話の宇宙」

本学名誉教授 麻 原 美 子 氏

 「説話の宇宙」と題した説話世界の遊泳は、『宇治拾遺物語』を基軸としながら話材中心に、神話・伝説・民話、それとかかわる歴史世界への探訪を続けてまいりました。昨年は中国を発生源として、日本に入って日本人の共同幻想による独自の形象化で魔界外道の寵児となった天狗の説話を読んでまいりました。本年は軍紀物語・お伽草紙・絵巻の他ジャンルに目を向けてその展開相を探りますが、予定としては前半で終わり、後半は本年と来年の干支に因んで「龍」と「蛇」関係説話をみるつもりです。特に「蛇」は大地母神でもあり、日本は蛇信仰圏にあります。どのような説話が生み出されたかを楽しみたいと思います。

(火曜・年10回)10:20―11:40 百年館

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二 「源氏物語」

本学教授 高 野 晴 代 氏

 今年度は、まず「玉鬘十帖」の五帖目「常夏」巻を取り上げます。ここにはこの十帖のヒロイン玉鬘とは全く反対ながら、これまた内大臣の娘、近江の君が登場します。彼女はすべてに一所懸命であるものの、むしろ一所懸命ゆえのおかしな行動が笑いを誘ってしまいます。一首に歌枕を3つも入れた和歌まで詠む始末です。しかし、その滑稽さを笑う人たちはほんとうに人間らしいのか、笑われることはないのか、と作品は問いかけています。『源氏物語』の深さを感じさせる巻とも言えましょう。掌編「篝火」、さらに「野分」の巻も面白く、それは光源氏の息子夕霧の眼で描かれる世界です。紫上をかすかに見たり、玉鬘と父親の不自然な会話を耳にしたりしています。今年度も光源氏と、彼をめぐる女性達のそれぞれの生き方を見据え、作品を読み解いてゆきましょう。また時には、残された多くの「源氏絵」を取り上げて、愛し続けられた『源氏物語』の享受の歴史も辿りたいと思います。

(金曜・年10回)10:30―12:00 百年館

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