徒然記

永冨尚子

 本が好きで,図書館の持つ知的雰囲気に憧れて始めた司書の仕事,早いものであっとゆう間に20数年たって

しまいました。この間目白から西生田へと職場が変わり環境の変化に戸惑いもありました。西生田図書館は人間

社会学部創設に伴い設置され,情報化時代の先駆けとなるべくコンピュータを導入して創られた新しい図書館で

あり,試行錯誤の連続でそれなりの苦労もありましたが,希望に満ちた充実した気持ちで仕事をしていたことを

思い出します。

 近頃は,コンピュータ・通信ネットワークの発達が著しく,インターネットを利用すれば居ながらにして世界中の

情報の入手や発信が可能となりました。図書館も利用者ニーズの多様性に対応して新しい情報技術の導入を図っており,

将来的にはメディアセンターとして大学の中核をなし図書館員はメディアスペシャリストとしての資質が要求される

と思われます。しかし,電子化の時代にあっても研究・教育を側面から支援する大学図書館に於いて,図書館が十分に

機能を発揮するために,ヒトの果たす役割は何にも増して重要であると考えます。そのヒトに対する理解の一助として,

又,利用者と館員とを繋ぐ架け橋として『図書館だより』を活用できればと思います。 (西生田図書館課長)