図書館長時代をふりかえって

佐藤進

 目白の文学部長時代に,生田新学部構想計画に参加し,新学部創設に伴い図書館長として目白と生田の図書館を

いったり,きたりしたことを思い出しています。何せ,コンピュータなどメカ嫌いの,一方人間好きの人間が,

コンピュータ化時代の高度情報化図書館業務を少しずつ学び,読む時代から見る時代の到来に不安を感じつつ,

また女子大変貌時代の2つのキャンパスでの任を何とか果たしえたのは,上村美紗子主任(現課長)あったればと

思うのです。そして,日本女子大学図書館業務の運営のすばらしさは,何といっても月例の「図書選定委員会」

での論議で,多数の,多面的な単行書,雑誌の出版情報をもとに,予算を考えあわせつつ,選書による本の購入決定

にいたるプロセスにあったと思っています。日本女子大学の図書館の充実と伝統を支えてきたのはここにあったので

はないかと,素人館長の2年間のささやかな経験のなかでの垣間見の所感です。さいごに,当時,一般事務部門と図

書館専門業務部門との人事交流による合理化論が出ていましたが,素人館長は消極的で,いまどうなっているのかと

いうことです。(第8代図書館長)