ノートを小脇に資料を捜す

石川松太郎

 毎号おくっていただく「図書館だより」が100号に達するとのこと,おめでとうございます。同時に,

これまで編集に当たってこられた館員の方に感謝して「これからもよろしく」とご挨拶したいと存じます。

 どの号も充実した内容ですが,とりわけ館員の方が筆を執られた記事を精読しています。最近でいえば,

さまざまの図書館を探訪された報告を読んで,教示を受けることが多い。図書館業務に精通されているだけ

に,何とも形容できない貴重な味わいが行間に滲み出ています。

 私も,1995年3月に退職してより,専攻する教育史関係の資料をもとめて,ノートを小脇に各地の図書館・

博物館・郷土資料館などを歴訪しています。めざす資料を発見できた時の喜びは申すまでもありませんが,

空振りに終わってしまう場合の方がはるかに多い。刑事なみに,今日までの2か年半で,靴を3足ほど履き

潰しました。電子機器が発達して,検索がどんなに便利になっても,自分自身の足を使って勉強するところ

が図書館だ,の信念は変わりません。(第9代図書館長)