斎藤和子
日本女子大学の図書館を退職してから15年ほどになります。自宅の近くの公共図書館をときどき利用しますが, 電子化が進み,登録さえしておけば,いつでもすぐに図書を借りることができ,大変便利です。 私が図書館に勤務し始めたのは1957年で,新制大学の揺籃期でした。その中で図書館の近代化は最重要課題で した。10名たらずの館員が,新しいサービス体制を目指して燃えていました。例えぱ貸出業務は,今はコンピュー ターが簡単に処理しますが,当時は人手で,誰がどんな図書を何冊,いつまで,未返却は?といった情報を要領 よく得る工夫をしたことなど,楽しい想い出です。 図書館が電子化されてスペースが節約され,さらに電子図書館やインターネットが整備されて,必要な知識がなん なく手に入るようになるでしょう。しかし書架の間を動きまわって思いがけない図書に出会い,ヒントを得たりする ゆとりと楽しみも,研究者や学生に必要なようと思います。 (元図書館員)